＜たべレポ＞♢麺家 千祥♢町屋
野性味あふれる旨味が抜群なのに、後味すっきりな上品さも兼ね備えたスープにレンゲが止まらない。
なんだかんだ新年初ラーメン。家系ラーメン食べたい欲に応じるべく、「麺家 千祥」へ。頻繁ではないが定期的に通っているお気に入りの店。
「おすすめラーメン」（950円）にライス（100円）を頼む。おすすめラーメンはデフォルトのラーメンに味玉、チャーシュー1枚、のり2枚、九条ネギ少々が追加されたものになっている。
完ぺきではなかろうかというスープの色合い。家系ラーメンのスープは赤茶色の色味が濃いほど美味しいと思っている。一口飲むと、鶏ガラの旨味がしっかり感じられ、醤油タレの切れ味も良い。塩味が効いているが、塩辛さはない、ギリギリの調整がなされているみたい。油普通のオーダーでも鶏油は少なめ。なので鶏の旨味を味わいながらも、油っこいくどさはなく、後味はすっきりしている。まさに美女と野獣の様な、両面持ち合わせた美味しさがここにある。
麺は家系と言えばの酒井製麺だ。短めパツッとした麺にスープが合う。安定の美味しさ。
スープが美味しいのでご飯も当然進む。以前はラーメンにライスなんて考えられなかったが、家系だけは別だ。のり、卓上の豆板醤などを活用しながら食べ進めていく。
家系のほうれん草ってどうしてあんなに美味しいのだろうか。くたっとしたほうれん草はスープをまとい、美味しさが倍増する。そしてそれをおかずにご飯が進む。恐ろしいフォーメーションが確立されている。
チャーシューは若干パサつき気味だが、スープに浸せば無問題。噛むとほろっと崩れる柔らかさの中に、豚の旨味がギュッと凝縮されている。
ねぎの青みでさわやかさを感じつつ、最後に味玉も忘れずにたべてごちそうさま。
一言に家系ラーメンと言っても、店ごとに全然違う。そんな中でも、ここ「麺家 千祥」は最適解の一つだと思っている。武蔵家っぽいが、より旨味がしっかり出ている。かといって、武道家ほど濃すぎず、すっきり感も混在しているようなイメージ。
若干残念だったのが以前よりシステムが変更されていたこと。ライスが無料でおかわりも出来ていたのが、100円になりおかわりも廃止に。きゅうりの漬物も卓上からなくなってしまった。個人的に、家系ラーメンと言えば、ご飯にきゅうりの漬物、豆板醤を乗せ、ごまをふってそれ単体でも食べられる布陣を作るのが常だった。物価高の影響で仕方ないことなのは重々承知だが、少し寂しい気持ちもありつつ…
ただ、スープの美味しさは健在。今後も近くに寄ったら足を伸ばすこと間違いない。
