＜たべレポ＞♢一番太鼓♢稲荷町
麻婆豆腐はどこで食べても大体美味しいが、細部は微妙に違っている。そこが面白い。
たまのお出かけの際はやっぱり外でご飯が食べたい。帰ってから夕飯を作る気力もなかったので、用事がてら稲荷町の近くの「一番太鼓」へ。中華料理が基本の飲み屋っぽいが、夜でも定食を提供しているのは大変ありがたい。一番人気らしい麻婆豆腐定食（950円）と、せっかくならと四川水餃子をセットに（＋200円）して注文した。
写真では表現できていないが、土鍋に入った麻婆豆腐は湯気が止まらないほど熱々で提供されている。定食の感じからして、日本に寄せた麻婆豆腐なのかと思っていたが、いい意味で予想を裏切られた。中華に無数にあるなんとか醬が複数入っている感じがして、びりりと舌に伝わる複雑な辛さと旨味が押し寄せる。いわゆる本格的な麻婆豆腐といった感じで、思わずご飯が進む。
卓上には青山椒、赤山椒と2種類の山椒に加え、店オリジナルの辛み醬なる食べるラー油のようなものが置いてある。それぞれ異なる刺激の辛さが味わえ、楽しい。
付け合わせの煮物はほっこりする味。麻婆豆腐の一時のオアシスとして機能している。スープはオニオンスープで、玉ねぎの甘さがしっかりと感じられる。麻婆豆腐に合っているかと言われれば即座に首を縦には振れないが、店の個性が感じられて個人的には好きだ。
セットの水餃子がこれまた良かった。ごまダレがかかっているのだが、ごまの香ばしさや八角のような少し独特の風味が合わさってオリエンタルな味わいになっている。これが水餃子と非常によく合っていて美味しい。2個では到底足りなかったので、次回は単品で頼みたいと思った。
ついついご飯をおかわりしてしまい、それもぺろりと平らげてしまうほど、美味しい麻婆豆腐定食だった。コンディションが良ければビールも飲みたかった。「四川麻婆豆腐」というメニューもあり、どう違うのか気になる。
麻婆豆腐はぱっと見同じように見えるが、食べてみると店ごとに辛さや風味が微妙に異なっていて面白い。カレーも同様か。個人的には刺激が尖っている個性的な味が好きだ。そういう違いを楽しめるのも、外食の良いところだと思っている。
