<食レポ>♢ニルワナム:虎の門店
たまに「カレーを食べたい」「サラダバーに行きたい」という衝動が来る。特に、野菜不足を感じると、サラダバーに行って一心不乱にビタミンを摂取したくなる。その欲求を一気に満たすためにランチにカレーのビュッフェを行っているニルワナムに訪問した。
地下に降りると、一気にスパイスの香りが押し寄せる。店内の入りは半分ほど。ビュッフェの、料理がずらっと並んでいる感じはテンションが上がる。ぐるっと一周したのちいざ配膳。
元々はサラダバーに行きたかったので、最初はサラダを大量によそう。サラダといっても8割はキャベツ、それに申し訳程度の人参とコーンが入っている。少々物足りない感じはあるが、あくまでカレー屋なので仕方ない。カレー屋お馴染み「謎のオレンジのドレッシング」をかけ、ひたすらキャベツを食べる。生野菜をわしわし食べているときの「健康に生きるために食事をしているんだ」という謎の感情に幸福を感じる。
手前は「本日のスープ」と書かれていたもの。一口飲んだだけで一気に“ビリッ”とした刺激が口の中に広がり、「あぁ、インドカレー屋に来たな」と思わせてくれる。粒胡椒をそのまま嚙んだような刺激といくつかのスパイスに加え、揚げた麺が入っており、そこから「チキンラーメン」のようなジャンクさも感じられる不思議な味わい。こういう「自分では作れない」味に出会えるのが外食の醍醐味であるなと感じた。
加えて、伺った土曜日では、パニプリが自動で付いてくるみたいだ。スナック感覚で食べられ、ビールが欲しくなる味。
ようやくカレーをよそう。オーソドックスなチキンカレーやチキンのスパイス炒めのようなものなど(違いがいまいち分からない)。土曜日にはビリヤニがあるのも嬉しい。ニルワナムはよく町にある「インド・ネパール系カレー」ではなく「純インドカレー」のような印象で、スパイスがまるごと入ってるとこもしばしば。シナモンのスティックやスターアニスがそのまま入っており、見た目も楽しい。あるお客さんが「カレーにボルトのようなものが入ってる」と店員さんに言っていて、よく見たらスターアニスだった、みたいなやり取りもあった。確かに初見では分からないよなと思いつつ、口にカレーを運び続ける。
普段摂取しないような刺激が味覚に押し寄せる。日本での食事では、味覚が「甘味、塩味、旨味」での構成がほとんどだが、ニルワナムでは特に「酸味、苦味」をよく感じる。この「非日常的体験」がとても楽しい。
ビリヤニは好物なのでおかわり。何の気なしに取った手前の「じゃがいもといんげんの野菜カレー」が結構印象的だった。ビュッフェの中では異彩を放つ色合い。味もカレーと謳っているがさながらシチューのようなまろやかさがある。普段では特に記憶に残らないような、良い意味での普通さだが、このラインナップでは周りがスパイスの嵐なので、その中にあるオアシス的立場に。箸休め的な存在だがとっても美味しかった。
最後は「デザート」に、揚げ餃子の中にココナッツファインがぎっしり詰まったものをいただく。よくイメージされるアメリカのお菓子のように、めちゃくちゃ甘いが、ココナッツの主張もあって意外とサクッと食べられる。ただ、油と糖分を同時に摂取することになるので一気に満腹中枢が上昇する。個人的に糖分を取りすぎると頭が痛くなるので、1個で限界に達し、ごちそうさま。
やはりビュッフェは楽しい。このレベルでニルワナムはランチで税込み1,320円と、とてもリーズナブルに感じる。1,500円以下でビュッフェを探すのはなかなか難しい。それが楽しくもあるけれど、何か良い方法はないかと思案中である。